弘前さくらまつりと、子どもたちとの春の一日 | Brass Note

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弘前さくらまつりと、子どもたちとの春の一日

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弘前さくらまつりと、小さな遠足隊の春の一日

週末に仕事を入れ、月曜日に代休を取りました。
本来なら日曜定休ですが、どうしても連休が取りづらく、製作物やメールもすぐ溜まってしまいます。
でも、日曜日の弘前さくらまつりは混雑がピークになるのが目に見えていたので、子どもを連れて行くには厳しいと判断して、あえて月曜日に。

そんなわけで、少しだけずらした春の平日、桜の名所として有名な弘前公園へ行ってきました。

娘とその友達、息子とその友達――小学生5人を連れての引率。親は私ひとり。
どちらかというと「家族でのおでかけ」というより、「小さな遠足の引率者」として、にぎやかな子どもたちの後ろ姿を追いかける一日でした。

お堀沿の桜

満開を少し過ぎても、弘前の桜はやはり特別

弘前公園の桜は、満開をわずかに過ぎた頃でした。
枝から舞い落ちる花びら、水面に広がる花筏、風に揺れる薄桃色の並木道――やはりこの時期の弘前は格別です。

でも子どもたちにとっては、そんな桜よりもまず屋台。
「チョコバナナあるよ!」「いちご飴食べたい!」と、露店が並ぶ道を目を輝かせながら歩いていました。
くじ引き、輪投げ、迷路にトランポリン。
昔ながらの遊びに、今の子どもたちが夢中になる姿を見るのは、なんだか嬉しい光景です。

弘前さくらまつりの出店通り。にぎわう屋台の風景。

妻は「でんどこ」の店番。それぞれの春

妻はこの日、「DENDO&Co.(でんどこ)」の営業日。
本当は一緒に行きたがっていましたが、ゴールデンウィークの大事な時期。
お店に立ってもらうことになりました。

「DENDO&Co.」は、真鍮表札の店 chicori の姉妹店ならぬ“親子店”として弘前に誕生したおみやげ屋です。
うさぎの「ちこり」をキャラクターに、観光地のなかでちょっと異彩を放つ、不思議なお店。
「私の古い思い出の中にあるお店」をイメージして、妻がつくりました。

店内には、chicoriやそのまわりの誰かがつくった、やさしいものたちが並びます。
実用性や合理性ではなく、ただ「いいなあ」と思える感覚を大切にしている店です。

弘前に来たらぜひ一度立ち寄ってみてください!

親は引率、子どもは友達同士で遊びまわる

芝生で遊ぶ子供たち

娘は小学5年生。
友達と一緒なら、もう親と遊ぶ年齢ではありません。

今日は完全に、親は引率。
「見ててね」と言いながら全力で走っていく後ろ姿を、少し離れて見守るだけの時間です。

“鬼ごっこ”、”だるまさんが転んだ”、”トランポリン”

何かに夢中になっているときの子どもたちの姿は、本当に自然で力強い。
私はただ、リュックと上着とお菓子の袋を預かり、芝生に腰を下ろしていました。

仕事から離れて、ただ「無目的な時間」を過ごす

普段、私は完全に仕事人間です。
製作の段取り、材料の手配、納期の調整。
ものづくりの現場は常に次の作業へと意識が向いています。

でも、こういう日――何かを成し遂げるでもなく、誰かのために動き続けるでもなく、ただ子どもたちの後ろ姿を見ているだけの時間――が、思っていた以上に必要だったのだと感じました。

風も穏やかで、気温もちょうどよく、芝生の上から空を見上げるだけで心がほどけていくような感覚。
「何もしない」ことに意味がある。そんな気づきが、この一日にありました。

まとめ:遠足の引率で味わった、静かな贅沢

この日、私は親ではあるけれど、子どもたちの遊びにはほとんど関与せず、どこか傍観者のような立ち位置でした。
それでも、こうして春の空の下で、にぎやかな声と、散りゆく桜と、子どもたちの笑顔に囲まれる時間は、静かな贅沢でした。

妻は「DENDO&Co.」で誰かの記憶に残るモノを育て、私は少し離れた場所で、子どもたちの記憶に残る風景を見守っていた。

来年も、またこの季節がめぐってきたら、同じように荷物番として、桜の下にいられたらと思います。

この記事の著者

葛 西

1977年生まれ。幼少期を家業の看板屋の工場で過ごし、真鍮の経年変化の魅力の虜に。美術大学卒業後に実家の看板屋へ。10年間勤務後、洋服のセレクトショップ「chicori」を開業し、その中でオリジナル商品の真鍮表札の製造販売を始める。2023年より真鍮表札専門店として新たに歩み始める。妻と娘、息子の4人家族。最近ギターを習い始める。真鍮のように時を重ねる楽しさを届けたい。

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