真鍮表札の取り付け手順 | Brass Note

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真鍮表札の取り付け手順

#取付方法#真鍮表札#経年変化

chicori真鍮表札の取り付け手順

chicoriの真鍮表札は、無塗装の真鍮が持つ上質な素材感と、時を重ねるごとに深まる経年変化が魅力です。取り付けにはアクリル板と接着を組み合わせた独自の構造を採用しており、正しい手順を踏むことで、美しく安全に設置することができます。基本的には専門業者に取り付け工事を依頼していただくことを推奨していますが、この記事ではDIY経験のある方に向けて、取り付けの全工程を写真とともに丁寧に解説します。

取り付け前の壁面の様子

1. 表札の配置検討
インターホンや照明器具、ポストなど、周辺の設置物とのバランスを見ながら、表札の配置を検討してください。 特に、これら周辺設備との調和をより高めるためには、可能であれば設計段階から表札の位置も含めて検討しておくことが理想的です。インターホンや照明器具など、配線を必要とする設備は、壁の施工と同時に配線工事も完了してしまうため、後から移動することが困難になります。あらかじめ表札とあわせて計画しておくことで、全体のバランスが整い、美しく設置することが可能になります。

マスキングテープで表札の位置を記す

2. 表札の設置位置を記す
決めた設置位置に合わせて、表札の一辺に沿ってマスキングテープを貼り、位置を明確にしておきます。 なお、マスキングテープを剥がす際に塗膜が剥がれたり、壁面を傷めたりしないかどうかを、必ず目立たない場所で事前に確認してください。壁面の仕上げや塗装の種類によっては、テープを剥がす際にダメージが生じる場合がありますので、慎重にご確認いただくことをおすすめします。

アクリル板の設置位置にマスキングテープでガイドを貼る様子

3. アクリル板のガイドラインを作る
表札のサイズより一回り小さいアクリル板に合わせて、表札設置位置の1cm内側にマスキングテープでガイドを作成します。

アクリル板の穴位置をマーキングする様子

4. 穴位置のマーキング
アクリル板をガイドにぴったり合わせ、ビス穴位置をポンチまたはペンで印をつけます。ポンチがない場合は、ペンで印をつけた後にアクリル板を外し、釘や千枚通しで軽く叩き、小さな窪みを作ってください。

ドリルで下穴を開ける様子

5. 下穴を開ける
マーキングした位置に下穴を開けます。下穴はビスをスムーズに打ち込むためのガイドとなり、素材の割れやビスのズレを防ぐ重要な工程です。 穴あけの際は、ポンチなどであらかじめ軽く窪みをつけておくと、ドリルの先端が滑りにくくなり、正確な位置に穴を開けることができます。 使用するビスはM4サイズのため、下穴には3〜3.5mmのキリを使用してください。ビスの長さに応じた深さをしっかり確保することも重要です。

アクリル板をビスで固定する様子

6. アクリル板をビスで固定
下穴に合わせ、アクリル板をM4のサラ頭タッピングビスで固定します。この画像では、太さM4、サラ頭、長さ25mmのタッピングビスを使用しています。設置面の材質や厚さに合わせたビスを使用します。 写真の例は窯業系サイディングへの取り付け例ですが、基本的にすべて同じ手順となります。他には、ガルバリウム鋼板、コンクリート、塗り壁、タイル、木などがあります。コンクリートやブロックには、ビス止めの際にプラグアンカー もしくはコンクリート用のビスを使用します。その際の下穴径は、使用するプラグやビスの仕様に合わせて選定してください。

インパクトドライバーを使用せずにビスを締める様子

7. 締め付けの注意
強く締めすぎるとアクリル板が割れる恐れがあるため、インパクトドライバーは使用せず、手動ドライバーで締め付けます。壁面に凹凸があり、ビスを締め付けた時に浮く部分があったり、アクリル板が歪んでしまう場合は、ワッシャーをスペーサーにしてアクリル板がフラットになるよう調整します。締め付け後、アクリル板の位置決めに使用したマスキングテープを剥がしてください。

アクリル板に両面テープを貼る様子

8. 両面テープをアクリル板に貼る
アクリル板の四辺に屋外用の強力両面テープを貼ります。両面テープは接着剤硬化までの仮固定の役割を果たしますので、必ず使用してください。

アクリル板に接着剤を塗布する様子

9. アクリル板に接着剤を塗布
両面テープの剥離紙を剥がし、アクリル板の中央部分に接着剤を薄く均一に塗布します。厚く塗りすぎると垂れてくるため、適量に注意してください。

真鍮表札の裏面に接着剤を塗る様子

10. 真鍮板の裏面にも接着剤を塗布
真鍮表札の裏面にも均一に接着剤を塗布します。塗布後は5〜10分ほどオープンタイムを取ってください。オープンタイムとは、接着剤を塗った後、表面が少し乾いて粘着性が高まるまで待つ時間のことです。この工程により、貼り付けた瞬間に強い初期接着力を得ることができます。

真鍮表札の位置を合わせて貼り付ける様子

11. 真鍮表札を貼り付ける
オープンタイム終了後、真鍮表札を慎重に位置合わせし、アクリル板の上にゆっくりと貼り付けます。この時、一度貼るとずらすことができないため、正確な位置合わせが重要です。

真鍮表札を圧着して固定する様子

12. 表札をしっかりと圧着する
表札を包んでいた紙を当て、両手で表面全体をしっかりと押さえ、10秒ほどむらなく圧着してください。

表札周囲にマスキングテープを貼って養生している様子

13. 表札周囲を養生
蜜蝋クリームを塗布するために、表札周囲をマスキングテープで養生します。

蜜蝋クリームを塗布している様子

14. 蜜蝋クリームを塗布
乾いた柔らかい布やスポンジで、真鍮表札全体に薄く均一に蜜蝋クリームを塗布します。側面にも塗布してください。

歯ブラシで文字の中を仕上げている様子

15. 歯ブラシで文字部分を仕上げる
歯ブラシなどを使い、文字部分の細かい溝にたまった余分なクリームを丁寧に掻き出します。同時に、文字内部にもクリームをしっかりと行き渡らせてください。

乾いた布で真鍮表札を磨いている様子

16. 乾拭きで仕上げる
乾いた布で表札全体を磨くように拭き上げます。蜜蝋クリームを均一に伸ばすと同時に、余分なクリームを除去して仕上げます。

真鍮表札の設置完了後の様子

17. 設置完了
真鍮表札の取り付けが完了しました。表札がしっかりと固定され、傾きや浮きがないか最終確認します。万一、ズレや浮きがあった場合は、早急に補修対応してください。

設置後のメンテナンスの説明を示す様子

18. メンテナンスの案内
設置直後のツヤ感を目安に、乾燥やくすみが気になってきた場合は再度蜜蝋クリームを塗布してください。継続的なケアで、真鍮の美しさを長く保つことができます。

まとめ

真鍮表札の取り付けは、正しい準備と手順を守ることで、美しく、かつ確実に設置することができます。 アクリル板による基礎固定と、接着剤・両面テープを併用する方法により、見た目も美しく、高い耐久性を実現しています。 取り扱い時には必ず手袋を着用し、仕上げには蜜蝋クリームを使って表面を保護してください。 また、経年変化を楽しみつつ、適切なメンテナンスを続けることで、真鍮ならではの豊かな表情を長く楽しむことができます。

この記事の著者

葛 西

1977年生まれ。幼少期を家業の看板屋の工場で過ごし、真鍮の経年変化の魅力の虜に。美術大学卒業後に実家の看板屋へ。10年間勤務後、洋服のセレクトショップ「chicori」を開業し、その中でオリジナル商品の真鍮表札の製造販売を始める。2023年より真鍮表札専門店として新たに歩み始める。妻と娘、息子の4人家族。最近ギターを習い始める。真鍮のように時を重ねる楽しさを届けたい。

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