和モダンに映える素材は“真鍮”だった──日本家屋に馴染む金属 | Brass Note

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ピックアップ 真鍮のある暮らし 表札の選び方ガイド

和モダンに映える素材は“真鍮”だった──日本家屋に馴染む金属

#おしゃれ#和モダン#漢字#真鍮表札

落ち着いた佇まいと自然素材の美しさを大切にする「和モダン住宅」。その空間に、金属素材である真鍮を取り入れるという発想は、一見すると意外に思われるかもしれません。けれども、真鍮には、時とともに風合いが深まり、静かに調和する力があります。木や塗り壁といった自然素材との相性も良く、空間の質を高めてくれる素材として、和の住まいに静かに寄り添います。

和モダンな住宅に真鍮表札が映えるエントランス

和の素材と調和する、真鍮の質感

真鍮は金属でありながら、自然素材と調和しやすい独特の質感を持っています。控えめな光の表情や経年による深みが、住まいに静かな美しさをもたらします。

真鍮が見せる静かな存在感

真鍮は、控えめな光のゆらぎと、趣のある質感を備えた金属です。やわらかく光を受け止めるその表情は、木や塗り壁と自然に溶け合い、空間に静かな品格を添えてくれます。

変化を楽しむ素材としての魅力

新品の真鍮は穏やかな金色をしていますが、空気や湿度に触れることで、少しずつ落ち着いた色味へと変化していきます。この経年変化は、時間の経過を受け入れ、美しさとして味わう日本の美意識に通じるものがあります。無塗装の真鍮であることに意味があり、変わりゆく風合いを楽しめることが、和の空間との親和性を高めています。

和モダン建築に見る、真鍮の取り入れ方

実際に和モダン住宅の現場で、真鍮がどのように使われているかを見ていきましょう。建築素材としての真鍮の役割や、表札としての設置事例などを通して、空間との調和の仕方を紹介します。

控えめな美しさを引き出す真鍮

和モダン住宅では、空間を構成する素材一つひとつが抑制された美しさを持っていることが重視されます。真鍮はまさにその役割を果たし、室内外の細部に用いられることで、静かに存在感を放ちます。

真鍮表札の自然な馴染み方

たとえば、照明器具の部品やドアの引手、スイッチプレートなどに取り入れると、過剰に目立つことなく空間全体の質を引き上げてくれます。表札もその一つで、木板の外壁や塗り壁の玄関まわりに設置された真鍮の表札は、まるで最初からそこにあったかのように自然に溶け込みます。

実際に、杉板張りの玄関に真鍮の表札を設置した際、過度に装飾的にならず、それでいて確かな存在感を持つ佇まいに感動した経験があります。控えめで品のある素材だからこそ、空間全体の印象を美しくまとめてくれます。

真鍮の経年変化が、和の趣と重なる

和の美意識の中には、「時間とともに味わいが深まる」ことへの価値が根づいています。真鍮の経年変化には、そうした感性に通じる深い魅力があります。

和モダンな住宅に真鍮表札が映えるエントランス

時間とともに深まる風合い

日本には、古くから「侘び寂び」や「用の美」といった、時間の流れの中に美しさを見出す価値観があります。真鍮という素材は、まさにその思想と響き合います。最初は明るくやわらかな輝きを見せ、やがて落ち着きのある深い色合いへと変化していく。これは、人工的な素材では得られない、自然とともに生きる素材の魅力です。

真鍮が記憶を重ねる表札へ

季節のうつろい、暮らしの時間、手の触れ方によって少しずつ変わっていく表情には、その場所の記憶が積み重なっていきます。真鍮の表札においても、年月を経るごとに味わいが深まり、住まいの一部としてしっかりと根付いていく感覚があります。

書体が決める“佇まい”──chicoriの表札という選択

真鍮素材と相性の良い書体を選ぶことで、表札はさらに空間に調和し、住まいの印象を豊かにします。chicoriでは、書体の選定から文字組みまで、細部にわたるこだわりを大切にしています。

書体が与える印象の大きさ

真鍮の表札を和の空間に取り入れる際には、素材そのものの質感とともに「書体の選び方」も重要です。表札は住まいの顔となるものであり、その印象は文字の形や配置によって大きく左右されます。

chicoriでは、真鍮の持つ奥ゆかしさと調和する、12種類の漢字書体をご用意しています。どの書体も、可読性と洗練された美しさを兼ね備えており、和の空間にも違和感なく馴染みます。

細やかな調整が生む美しい文字組み

また、chicoriの表札では、単にフォントを並べるのではなく、苗字ごとに異なる文字と文字のサイズバランスや、間隔の微妙なニュアンスにまで配慮しながら、一つひとつ丁寧に仕上げています。たとえば、線が太い字と細い字、縦に長い字と横に広い字が組み合わさるような苗字でも、それぞれの文字の形や位置を細かく調整し、全体として自然で美しい印象になるよう構成しています。

自動配置では得られない繊細な調整が、真鍮という素材の質感と相まって、住まいにふさわしい落ち着きと品格を与えてくれます。

まとめ

真鍮が和モダン住宅にどのように調和し、どんな価値をもたらすのかを見てきました。最後に、chicoriの真鍮表札が住まいにもたらす佇まいの魅力を、改めて振り返ります。

真鍮が和モダンに与える価値

真鍮は、控えめな光のゆらぎと、趣のある質感を備えた金属です。和の素材と自然に調和しながら、空間に静かで奥深い印象をもたらしてくれます。年月とともに変化する表情は、侘び寂びの心に通じ、日々の暮らしに穏やかな美しさを添えてくれます。

chicoriの真鍮表札でつくる佇まい

そのような真鍮を使った表札において、書体の選び方は空間全体の印象に直結します。chicoriでは、素材の魅力を引き立てる書体選定と、苗字ごとに異なる美しさを引き出す丁寧な文字組みによって、住まいにふさわしい佇まいをかたちにしています。

伝統的な日本家屋はもちろん、現代的な住宅デザインにも自然に馴染むchicoriの漢字表札。落ち着いた存在感と、時を重ねるごとに深まる美しさを、日々の暮らしの中で実感いただけるはずです。


 

この記事の著者

葛 西

1977年生まれ。幼少期を家業の看板屋の工場で過ごし、真鍮の経年変化の魅力の虜に。美術大学卒業後に実家の看板屋へ。10年間勤務後、洋服のセレクトショップ「chicori」を開業し、その中でオリジナル商品の真鍮表札の製造販売を始める。2023年より真鍮表札専門店として新たに歩み始める。妻と娘、息子の4人家族。最近ギターを習い始める。真鍮のように時を重ねる楽しさを届けたい。

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