表札は必要?つけないことで起きるリアルな問題 | Brass Note

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ピックアップ 表札の選び方ガイド

表札は必要?つけないことで起きるリアルな問題

#表札

近年では、戸建て住宅やマンションを問わず「表札をつけない」という選択をする家庭が増えています。個人情報の保護や防犯への配慮、デザイン性の観点から、無記名のまま暮らすスタイルが定着しつつあるように感じます。しかしその一方で、ネット通販や宅配サービスの拡大により、「表札がないことによる不便さ」も見過ごせなくなっています。日々真鍮表札に触れている立場としても、この流れにはあらためて注意が必要だと感じています。

表札が付いていない住宅街の路地

なぜ今、表札をつけない家が増えているのか

プライバシー意識と防犯対策の高まり

表札にフルネームを掲げることで、住人の属性が推測されることを嫌がる人が増えています。特に都市部では、空き巣や訪問販売への警戒心から、あえて表札を設けない選択をする方が多い印象です。防犯上の配慮としては理解できますが、完全に名前を隠すことで別の問題が生じる場合もあります。

デザインや外観とのバランスを重視

家の外観にこだわる人が増える中で、「表札の雰囲気が家と合わないのでは」と感じる方もいらっしゃいます。特に、一般的なデザインの表札では個性が出しづらく、住まいの世界観を損なってしまうと感じる方もいます。そのため、見た目を大切にする方ほど、あえて表札をつけないという選択に至ることもあるようです。

表札をつけないことで起きる不便と問題

配達トラブルが増える原因に

ネット通販の普及により、荷物の受け取りが日常化した今、「表札がない家」は配達員にとって大きな負担です。建物の外観やポストの形状だけでは住人を特定できず、誤配や持ち戻りが発生することがあります。実際に配達員の方からも「表札があると助かる」という声をよく耳にします。

自分だけでなく、ご近所にも迷惑がかかるケース

表札がないことで起こる誤配は、自分の荷物が届かないだけの問題ではありません。自分宛の荷物が、別の家に誤って配達されてしまうことで、ご近所の方に迷惑をかけてしまう場合もあります。気づかず開封してしまったり、受取人を探す手間をかけてしまったりすることもあり、知らぬ間にトラブルの原因になることもあります。

再配達の手間と、信頼関係への影響

誤配や不在による再配達は、受け取る側にも余計な手間がかかります。特に繁忙期や天候の悪い日には配達の遅れにもつながり、配送業者との信頼関係にも影響を及ぼす恐れがあります。

近隣住民との認識のずれ

新しく越してきた家庭に表札がないと、ご近所さんが誰が住んでいるのか把握できず、声をかけづらくなるという場面もあります。これは特に子育て世帯や高齢者世帯にとって、防犯面でもマイナスに働くことがあります。

表札は“暮らしのマナー”としての役割もある

誰かを迎えるための基本的なサイン

表札があることで、初めて訪れる人が安心して玄関にたどり着けます。これは配達業者だけでなく、友人や家族、お子さんの友達にとっても同じです。「ここが我が家ですよ」と伝えるための基本的なサインとして、やはり表札は重要です。

名前を出すことに抵抗がある場合は「番地のみ」も一つの方法

名前の記載に抵抗がある場合は、「番地だけ」の表札を設けるのも非常に有効です。数字だけであっても、家の識別には十分役立ちます。実際にchicoriでも、苗字を入れず番地のみでご注文されるお客様が一定数いらっしゃいます。控えめながらも配達員や来訪者への配慮を忘れない選択として、多くの方に支持されています。

主張しすぎず、調和する表札を選ぶ

景観との調和を重視したい場合は、主張の強すぎない素材や控えめなデザインを選ぶことが大切です。たとえば真鍮の表札は、光の当たり方によって表情が変わり、落ち着いた印象を与える素材として人気があります。外観にそっと馴染み、静かに役割を果たす存在として、真鍮表札は非常に優れていると実感しています。

まとめ
表札をつけるか、つけないかは個人の自由ですが、現代の暮らしにおいて「ないことで困る場面」が確実に存在するのも事実です。ときには誤配が近所の迷惑につながることもあり、生活全体に波及するリスクを考慮する必要があります。防犯やデザイン性とのバランスをとりながら、控えめでもきちんと名前や番地を伝える表札を設けることは、配慮ある暮らしの第一歩になると感じています。


 

この記事の著者

葛 西

1977年生まれ。幼少期を家業の看板屋の工場で過ごし、真鍮の経年変化の魅力の虜に。美術大学卒業後に実家の看板屋へ。10年間勤務後、洋服のセレクトショップ「chicori」を開業し、その中でオリジナル商品の真鍮表札の製造販売を始める。2023年より真鍮表札専門店として新たに歩み始める。妻と娘、息子の4人家族。最近ギターを習い始める。真鍮のように時を重ねる楽しさを届けたい。

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