職人の想いを、歌にした—NO NAME HANDSとAI作曲 SUNO のこと—
chicoriの真鍮表札は、職人の手で一枚一枚丁寧に、名前を刻むもの。
実は、そこには「語らない想いや願い」が宿っています。
chicoriに使用する動画に音楽をつけたほうがいいというアドバイスを受け、
今回制作した『NO NAME HANDS』
表札づくりのなかで、私たちがいつも心に抱いている「語らない想いや願い」を歌にしたものです。

なぜ真鍮表札の「うた」を作ったのか?
当初は、動画などに添えるため、必要に駆られて作り始めましたが、「耳で感じるchicori」は、目には見えないかたちで、お客様に気持ちを伝えられるのでは…と思ったのです。
ものづくりの現場で生まれる音、
職人の手。
作品に込められた願い——
それらをひとつの歌にできたら、
誰かの心に届くかもしれないと思ったのです。
真鍮が「黙って伝えるもの」なら、
うたは「そっと語りかけるもの」。
そんな位置づけで、手で何かを生み出す人全てに、寄り添う歌を作ることにしました。
NO NAME HANDS
語らない
名も残さない
けれど たしかにそこにあった 手のことを──
誰かの暮らしを
静かに支える 手の仕事
語ることより
作ることを選んできた手
職人たちの 無言の祈りを
響きにかえた うた
They don’t speak.
They don’t leave a name.
But the hands were there, quietly supporting someone’s everyday life.
They chose to make, not to speak.
No Name Hands is a song shaped from the silent prayers of those hands that create.

AI作曲ツール「Suno」とは?
実は私、hiromikoは音楽のことはまったくの素人で、楽譜はドレミくらいしか読めず、楽器もほとんど弾けません。
それでも、想いや情景を「うた」にできたら…という憧れだけは、ずっと心にありました。
聴くのは好き。でも、自分にできるのは、せいぜい歌詞を書いてみることくらいでした。
そこで、Sunoというツールを使いました。
歌詞や言葉を入力するだけで、まるでヒット曲のような音楽を自動でつくってくれる、生成AIの作曲サービスです。
必要なのは、「こんな雰囲気の音楽がいいな」というイメージと、少しの言葉だけ。
楽器が弾けなくても、楽譜が読めなくても大丈夫。
ふだん音楽に触れていない私でも、まるで魔法のように、自分だけの一曲を生み出すことができました。
Sunoで音楽をつくる手順
今回の『NO NAME HANDS』で使用したツールは主に二つです。
ChatGPT … 作詞・プロンプト
SUNO.com … 作曲・歌
以下、極々シンプルに説明します。
Step 1:歌詞をつくる(ChatGPT)
海外のツールですが、日本語の歌詞でもOKです。
自身で作詞した完全歌詞を入力してもいいし、イメージや言葉を入力して、歌詞そのものを生成してもらうことも可能です。
※ メタタグを使用するとしっかりと指定が伝わります。
Step 2:歌のイメージを伝える(Suno)
次に、Sunoで歌詞と歌のイメージを、プロンプトで(生成AIに指示する命令)やタグで伝えます。
「やさしく静かなピアノ」
「温かく語りかける男性ボーカル」など。
思い描く情景や気持ちを、短いフレーズで入力するだけでOKです。
※ 歌の構成やジャンルを指定するプロンプトも書いてもらうといいですよ。
Step 3:生成ボタンを押すだけ(Suno)
あとは、生成ボタンを押して数十秒待つだけ。
AIが2つパターンを提案してくれるので、その中から「これだ」と思う音を選びます。
たったそれだけで、想いがメロディになって返ってくる。
何度やっても、少し不思議で、ちょっと感動的な体験です。
補足
簡単に書いていますが、実はこの曲、数十曲以上生成し、「この曲でいこう」と決めてからも、100回以上、少しずつ手を加えてきました。
AIだからこそ、“選ぶこと”と“整えること”に、思っていた以上の時間がかかった気がします。
また、AIだからこそ—ほんの少しの調整が思うようにできず、もどかしい。
人の手によるこまかなフィジカル編集もできたらよかったな、と強く感じました。
音楽のプロの方たちは、これを一からすべて手でつくっているのだから、本当にすごいなと思います。
あらためて、その技術や感性、能力に、拍手を送りたくなりました。
完成した楽曲は chicori 名義で配信中
『NO NAME HANDS』は近日中に各音楽アプリにて配信予定です。
アーティスト名は chicori
歌詞タイトルは『NO NAME HANDS』(読み:ノーネームハンズ)
※音楽アプリで配信を行うには、商用利用が可能なプランでの課金が必要となります。
Sunoでの制作をお考えの方は、用途にあわせたプラン選択をおすすめします。
※無料プランで生成した楽曲の著作権や所有権はSuno(運営会社)に帰属します。
ユーザーは商用利用できず、個人的な利用や友人との共有など非営利目的に限られます
Apple Music・Spotifyなど、各音楽配信アプリで聴けます
以下のサービスで聴くことができます:(2025/6/7 配信予定)
– Apple Music
– Spotify
– LINE MUSIC
– Amazon Music
…ほとんどの音楽ストリーミングアプリに対応しています。
生成AIがひろげた、感性で選ぶということ
AIの進歩はめざましく、いまや、生成AIでつくられた作品が身の回りにあふれています。
でも私は、「AIでつくったから軽い」と決めつけるのではなく、
そこにどんな気持ちがこめられているかを、ていねいに感じていたいと思っています。
たとえAI技術の力を借りても、人の心にそっと届くものは、きっとつくれる。
それを信じています。
どんな音に惹かれ、なにを選びとるのか—
その選択の積み重ねが、自分自身の“作品”になっていくのだと思っています。
まとめ
『NO NAME HANDS』は、
名も語らず、音も言葉も持たず、
それでもたしかに誰かの暮らしを支えてきた「手」の物語を、音楽というかたちで描いたものです。
よかったら、少しだけ耳を澄ませてみてください。
このうたが、あなたの暮らしのどこかに、やさしく寄り添えますように。
そして、日々手を動かし、静かにものを生み出している人たちにも、寄り添えますように。