真鍮の価格はなぜ上がっている?表札選びの前に知っておきたい素材の話

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真鍮の価格はなぜ上がっている?表札選びの前に知っておきたい素材の話

#アンティーク#真鍮

「金」の価格は、2024年に1gあたり12,000円を超えるなど、過去最高水準を更新し続けています。

実は、同じ色の「真鍮」もまた、静かに価格を上げているのをご存じでしょうか?
金ほど派手ではないけれど、銅や亜鉛といった原材料の高騰を受けて、真鍮の価値も確実に見直されつつあるのです。

chicoriでは真鍮表札をお届けしていますが、「材料となる真鍮ってどんなもの?」「今後も値上がりするの?」と気になっている方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、真鍮の価格推移とその背景、そしてchicoriの表札を選ぶうえで知っておいてもらいたいポイントを、紹介します。

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真鍮の価格推移の概要

過去の価格変動と要因

真鍮は、主に「銅」と「亜鉛」からつくられる金属です。
中でも、銅が大きな割合を占めるため、銅の価格が上がると真鍮の価格もそれにつれて上昇します。

2020年以降、世界的に銅の価格が急上昇しました。
その背景には、電気自動車や再生可能エネルギーの拡大といった「銅の新しい使われ方」の広がりや、資源の供給不足などがありました。
コロナ禍で一時停滞した経済が急に動き出したことも、大きな要因です。

主要な市場の動きと影響

世界中の金属取引の中心とされる「ロンドン金属取引所(LME)」でも、銅や亜鉛の在庫は減少傾向にあります。そこにロシア・ウクライナ情勢が加わり、エネルギー価格や輸送コストも上昇。
さまざまなコストが重なって、真鍮そのものの価格が上がってきているのです。

また、金属はインフレに強い「資産」としても注目されており、投資対象として買われることも価格高騰の一因になっています。

真鍮市場の現状と動向

主な需要先と供給状況

真鍮は、建築資材や自動車部品、電子機器など、じつに幅広い分野で使われている素材です。とくに中国など新興国では、都市開発や経済回復にともなって、真鍮の需要が高まり続けています。

その一方で、資源原料の採掘や供給が追いつかず、材料の取り合いが起こっている現状もあります。

今後の価格予測と市場の展望

こうした状況をふまえると、真鍮の価格は今後もしばらく高値で推移する可能性が高いと考えられます。

とくに銅価格の動向は、真鍮の価格に直接影響します。
銅の仕入れ値が上がれば、真鍮製品もまた価格が上がってしまうのは避けられません。

「銅を主原料とする真鍮は、銅相場に大きく左右される」——これは、真鍮を使った製品選びにおいて知っておくと安心できるポイントです。

chicoriの真鍮表札を購入する際に知っておくべきポイント

chicoriの真鍮表札の重量

chicoriの真鍮表札(Mサイズ)は、150mm × 150mm × 厚み3mm。
その重さは約570gと、手に持ったときにしっかりと感じられる「ずっしり感」があります。

見た目の美しさや手仕事の温かみだけでなく、この重みからも真鍮という素材の存在感や、本物の質感を味わっていただけます。

2025年5月現在、真鍮スクラップの買取価格は、過去と比べて高値で推移しています。
とくに2015年ごろと比べると、およそ2倍近くまで上昇しており、真鍮という素材の価値も大きく変わってきていることがわかります。

※ここでの価格上昇は、あくまでスクラップとしての素材価格をもとにした目安です。
新品の真鍮板や、chicoriのように仕上げや名入れを施した表札は、素材以上の価値をもつ特別な存在です。

これからの真鍮表札購入で気をつけるべきこと

もしchicoriの真鍮表札を検討されている方がいらっしゃれば、「今はちょっと早いかな?」と思わず、思い立ったときにご注文いただくのがおすすめです。

というのも、材料費の高騰は、いつ価格に反映されるか分からないためです。
また、オーダー製作にはお時間をいただくこともありますので、余裕をもってお選びいただくと、より安心してお迎えいただけるかと思います。

おわりに

真鍮の価格は、さまざまな世界の動きに影響を受けながら、今も少しずつ高騰を続けています。
けれど、そんな変化のなかでも変わらないのは、真鍮がもつ「静かな輝き」と「時を重ねるほどに深まる美しさ」です。

chicoriの真鍮表札も、その魅力を大切にしながら、一枚一枚ていねいにお作りしています。

価格の背景を知ることで、「もの」との向き合い方が少し変わることもあるかもしれません。
真鍮という素材のことを、ほんの少しでも身近に感じていただけたなら、私たちもうれしく思います。

今のところ、できるかぎり価格を変えずにお届けしたいと考えていますが、
真鍮の原材料は価格変動が大きく、今後やむを得ず見直しが必要になる可能性もあります。

もし、心のどこかで「気になっているな」と感じていたら、
その小さなきっかけを大切にして、ぜひ一度ご検討いただけたら幸いです。


 

この記事の著者

hiromiko

1979年生まれ。小さな頃からぬいぐるみと絵が大好きで、高校・専門学校とデザインの道へ。看板屋に就職し、葛西とは同期として出会う。ふたりの子どもの育児のかたわら少しずつものづくりを再開。
chicoriではWEBショップの運営、イラスト、文章の制作、筆記体デザインなどを担当している。
多趣味で、漫画を描いたり、本を作ったり。読書も好きで、純文学と児童文学をよく読む。「何でもできるかやってみる」がモットーで、気になることにはつい手を出してしまうタイプ。古いぬいぐるみと向き合う時間が心を整えるひととき。最近は「光るくに」のぬいぐるみたちの世界を別ブログで紡いでいる。苦手なことは片づけと整理整頓。

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